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ワインをおいしく飲むために(2)

前回に続き、美味しくワインを頂くためのノウハウ。
本日は、ワインを注ぐ器「ワイングラス」の選び方をお伺いしたいと思います。
今回もお話をお伺いするのは、西麻布のビストロ「ビストロアンバロン」オーナーの両角(モロズミ)さんです!
 

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第1話「意外?! ワインをおいしく飲むのに大切なコト
第3話「飲む前から楽しめるプロのアイテム
第4話「両角さんが大切にしている事
 

こんな意味があった!グラスの形

様々なワインを揃えているお店では、ワインの種類によって違う形のグラスでサーブされますよね。
あれはなぜなのでしょうか?
 

「ワイングラスの大きさは、香りのボリューム、フォルムは、ワインの酸味の強さとの兼ね合いで選ぶと、ワインをより美味しく楽しむことができます。」と両角さん。
 

ついつい中に注ぐワイン自体の事を考えてしまいがちですが、グラスも大きなポイントだったのですね!
でも、どうやって選び分けたらよいのでしょうか?
 

ビストロアンバロンに並ぶ、ピカピカのワイングラスたち
 

両角さんが教えてくださったワイングラス選びのポイントは、ボウルの”大きさ”と”形”。
ワインをおいしく頂くためにはワインのキャラクターに合わせてグラスを選択することがとても大切だとか。
 

テーブルの上に並べられた、様々なフォルムのワイングラス
 

繊細で難しそうに聞こえてしまうのですが、初心者でもわかりやすいグラスの選び方はあるのでしょうか?
 

「簡単に言えば、高いワインは大きなグラス、カジュアルな価格のワインは小ぶりのグラスによく合います。
赤ワインが大きいグラス、白ワインが小さなグラスという思い込みは捨てましょう。具体的には、酒屋さんで1本3000円以上のワインは大きなグラスを使い、それ以下は、小さなグラスを使うのが一つの目安となります。」
 

白ワイン向きの、チューリップ型のワイングラス
 

レストランで提供されるグラスは、白ワインの場合はこぶりで縦長なシルエットで、赤ワインは大きいグラスという印象があるのですが、違うのですね!
 

「はい、同じ白ワインでも、高級なワイン、熟成したワインは、香りのボリューム感を楽しむために、大ぶりのグラスを使うと良いでしょう。そのほうが、見た目にも華やかでカッコイイですしね。
 

泡の見た目の清涼感を楽しむシャンパーニュやスパークリングワインの場合は、縦長のフルートグラスを使うと泡の美しさも楽しめます。
 

キュベ・プレスティージュ  シャンパンやスパークリングに合う、縦長のグラス
 

でも、シャンパーニュも大ぶりのグラスで飲めば、泡の鑑賞はしにくくなるものの、逆に香りのボリューム感と味わいの奥行きを楽しむことが出来ます。同じお酒がグラスによって味の印象が変わるという良い例です。」
 

グラスの形によって、ワインの味わいまで変わるんですね!
では、フォルムの違いは?
 

「例えばカベルネ・ソーヴィニオンメルローなどの酸味が穏やかでタンニンの強いワインには、グラスのボウルが縦長の、このくらいのシルエットのものが良いですよ。」
縦長の形状のため、口に中にゆったりと入って来ることにより、舌の両脇の酸に敏感な領域にも酸が広がりバランス良く、味わうことが出来ます。
 

カベルネ・ソーヴィニヨン メルローなど軽い飲み口のワインが合うグラス
 

チリやカリフォルニアで生産される、流通量が多く近隣のお店でも手に入る新世界ワインの場合、もう少し小ぶりのグラスでも良いかもしれませんが、試しに、このくらいの大きさを使ってみると、ボウルの中で香りが満ちて、普段とは違った味わいを楽しむことが出来るかもしれません。
 

グラスの形状を変えるだけで、いつものワインが1ランク上のワインに感じられるかもしれませんね!
 

「赤ワインの中でも、酸味の強いピノノワールで作られたブルゴーニュのワインには、球に近いグラスがお勧め。
大きいボウルからは口に鋭角的にワインが入ってきますので、酸の強さが控えめに感じられ、バランスのよい味わいとなります。
 

ピノ・ノワール フルボディで力強いワインが合うワイングラス
 

酸味の強いワインに向いていますので、シャルドネにも使うことが出来ます。特に熟成したシャルドネの場合は、香りのボリューム感も大きいのでボウルの大きなグラスが適しているのです」
 

ちなみに、高級ワイン、ロマネコンティもブルゴーニュのピノ・ノワールですから、このグラスが良いでしょう!
 

空気に触れる量を適切に保つために、注ぐ量もこの写真を目安にしてください。
おおよそワインボトルの1/6くらい、120mlが適量です。
 

まるで絵画の余白のように、グラスの中の空気も含めて1杯のワインなのですね!
ワインの性質とグラスの形は密接に関係していることがよくわかりました。
 

フォルムだけじゃない!グラス選びのもう一つのポイント

「良いグラスを見極めるポイントがもう一つ。それは、グラスの淵の厚みです。」と両角さん。
 

厚み??どういうことでしょうか。
 

「安価に購入できるコップやグラスのフチと比べてみると、厚みが全然違うんですよ。」
 

100円ショップで購入したグラスとお店でも使用されているグラスを、並べて見てみると…??
 

グラスの淵の厚みの違い
 

こうして比べてみると、全然違いますね!驚きました。
良いワイングラスは、淵のガラスの厚みが薄くなっていて、ワインを口に含むときにその口当たりを壊さないのだそうです。
 

「淵が薄いワイングラスを使うだけで、ワインの味の切れ味が増しますよ。」
 

グラスの脚は、飾りじゃありません

「そして、ワイングラスの脚も重要なんです」
 

ワイングラスの脚部分
 

脚?!グラスの脚は、伝統的な飾りのようなものかと思っていました!
 

「実はワイングラスの脚は、グラスを手に持った時に体温がワインに伝わらないようにするためのものなんです。最近は脚の無いタイプのグラスが出てきていますが、テーブルでワインを飲むときにはあまりお勧めしません。」
 

なんとワイングラスのデザインは、先日の温度管理のお話とも結びついているんですね!
 

ワイングラスの正しい持ち方

皆様は、ワイングラスの正しい持ち方をご存じですか?
ワイングラスの持ち方も、ワインをおいしく頂くのには大切なポイントなのだそうですよ。
 

そこで両角さんに、正しい持ち方を教えて頂きました!
 

「薬指と小指の間にワイングラスの底を挟んで、その他の指でそっと脚を持つのが正しい持ち方。」 

正しいワイングラスの持ち方

ワインが入っているボウルに触れる下写真のような持ち方では、体温が伝わってワインの温度が上昇してしまうので、味わいを変化させてしまいますよ!
 

やってしまいがち?誤ったワイングラスの持ち方

ワイングラスの持ち方次第で、ワインの事を知っているかどうかも分かってしまいますね。
お食事の作法として、身につけましょう!
 

乾杯の時に正しくグラスを持つだけで、イイ女度、イイ男度もアップしそうです。
 

次回は、初心者もワインを楽しめる、「まず揃えたいもの」をお伺いします。
お楽しみに!
 

港区西麻布 ビストロアンバロンの紹介
 
 

INDEX

第1話「意外?! ワインをおいしく飲むのに大切なコト
第2話「こんな意味があった!グラスの形」
第3話「飲む前から楽しめるプロのアイテム
第4話「両角さんが大切にしている事

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